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身体図式キャリブレーションによる多様なサイズのアバタへの没入
 没入型バーチャルリアリティシステムでは、バーチャル空間上での身体(VRアバター)と実際の身体で寸法が異なる場合に、操作をすることが難しくなる問題があります。 そこで私たちの研究室では身体定位を実現する脳内モデルである身体図式の乖離が問題であると仮定し、 実際の空間の身体に適合している身体図式をバーチャル空間上での身体のものへと変更する「身体図式キャリブレーション」を提案し、研究を進めています。
 身体図式とは、視覚、聴覚、体性感覚(皮膚感覚および固有受容感覚)などの感覚入力により、 身体の状態に関する情報(形状、寸法、位置姿勢など)を出力する脳機能であり、これが意識に上ったものは身体イメージと呼ばれます。 身体図式に基づき皮膚感覚や固有受容感覚などの体性感覚入力から身体イメージが想起されるため、 視覚情報がなくても身体各部の位置姿勢を把握することができます。
 私たちの研究室ではモーションキャプチャーシステムを用いて、実際の空間の身体をキャプチャーし、 実際の空間を模倣したバーチャル空間を用いて特定のタスクを行うことで全身の「身体図式キャリブレーション」を目標に研究を行っています。 現在は上肢の身体図式キャリブレーションに関しては十分な成果が得られたため、 下肢に対して身体図式キャリブレーションに取り組んでいます。