TOP
次元スケーリングバイラテラル制御を用いた下肢操縦インタフェース「FRIC」
 近年、車輪型ヒューマノイドの遠隔操作に関する商業利用が進んでおり、関連技術の研究開発も盛んです。 しかし、車輪型ヒューマノイドの操作では、操縦者の各指に触力覚フィードバックを行うためにグローブ型のデバイスを用いることが多く、移動操作の際はコントローラを手にする必要があるため、触力覚フィードバックを伴う上半身と下半身の操縦を同時に行うことは難しいです。 他方、移動操作を下肢のみで行う研究もなされていますが、力覚提示において現実に発生する接触力の再現には至っていません。
 そこで我々は、実際の接触状態の力覚提示が可能な次元スケーリングバイラテラル制御を適用し、下肢のみでの操縦を実現するインタフェース「FRIC」(Foot Reactive and Intuitive Controller)の開発を行っています。 現在は、車輪型ヒューマノイドの下肢のみに焦点を当て、操縦者が車輪型移動ロボットの走行する路面環境や障害物との衝突等の情報を取得しながら、前進後退移動と左右旋回移動を行うことが可能です。
 また、 本システムの次元スケーリングバイラテラル制御ではFRIC(リーダー装置)と車輪型移動ロボット(フォロワー装置)の位置と力の同期が重要です。 実機を用いた走行実験では、図のように位置と力が同期されていることが分かります。 このことから、平坦な床面と芝生の面を走行した際の路面環境の把握と壁面にぶつかった際の衝撃を力覚として知覚が可能であることを確認できました。
 今後はより直感的で安全な操縦を可能にするために、全方位移動及び全方位からの力覚提示を実現すること、距離に応じた障害物からの仮想的な斥力も加えて提示することを目指します。 将来的には、車輪型ヒューマノイドを用いて、操縦者がFRICで走行環境の情報を取得しながら上肢では繊細なタスクができるようなシステムを構築する予定です。






研究の担当者
kosei ohgi

M2
大木康聖

taiga suda

M2
須田大雅

rikuto omori

B4
大森陸玄