こういった「車輪型移動ロボットの下半身操作では現実の力覚提示が行われていない」という現象の背景には操作可能範囲の矛盾といった理由が存在します。
例えば一般的なロボットの上半身における操作範囲はアームの可動範囲であり、人間の上半身の可動範囲と一致します。 しかしながらロボットの移動範囲は基本的に無限であるのに対して、操縦者の移動可能範囲は滞在場所に依存して有限であり、矛盾しています。
そこで我々は、操作可能範囲の矛盾を解決するため、次元スケーリングを適用したバイラテラル制御を採用しました。 これにより、定点から下肢のみでの直感的な操縦と力覚提示を両立するインタフェース「FRIC(Foot Reactive and Intuitive Controller)」を実現しています。
このFRICでは以下のように、大きく分けて3つの処理が絶え間なく繰り返されています。
① 各デバイスの現在の位置や速度等を推定
② 理想とする挙動から現在どれだけの差異が生じているかを①の情報を元に導出
③ 導出した差異を解消する操作指示を生成
我々は①→②→③を1サイクルとし、200 [μsec]でこの1サイクルを処理しています。